バイセクシャルの私が同性との関係で学んだ「良い恋人」になる術
バイセクシャル男性が常に最良の恋人であるとは限らない…でも、だからこそわかることも。
バイセクシャル(両性愛者)は、男性とも女性とも恋人になることがあるだけに、あらぬ誤解を受けやすいもの。それゆえ辛い経験もあるけれど、そこからの気づきを強みに変えられることも。
本記事では、バイセクシャル男性を自認するジョー・フォン・マホウスキさんの体験談を<コスモポリタン イギリス版>からお届けします。ジョーさん自身が綴るのは、同性との恋愛やセックス経験を通し、異性の視点を知ることで学んだという「良き恋人であるためのヒント」。
誤解されやすい「バイセクシャル」
私が男性とも関係を持つようになったのは27歳からですが、それまでは10年以上、女性とベッドを共にしていました。バイセクシャルであるというカミングアウトは、自身の性的欲望に関して学びを得ることでもあり、爽快感、恐怖、そして解放感が入り混じる体験でもありました。
意外だったのは、それが女性にとっての“良き恋人”となるための気づきも与えてくれたことです。あるジェンダーとの関係から別のジェンダーとの向き合い方を知るというのは、ごく自然なことかもしれません。でも私は今、自分はバイセクシャルだからこそ、あらゆる人々にとって良き恋人であると確信しています。
まず伝えておきたいのは、バイセクシャルの人々は、けっしてセックスの回数が多いわけではないということです。性関係が他の性的志向の人より性が乱れていると思われがちですが、私たちはそうした偏見とずっと闘ってきました。
それ以外にも「バイセクシャル男性は、実はゲイであることを隠している」「性感染症を広めやすい」「浮気しやすい」という誤解についても解く必要がありました。
私たちのコミュニティには、「バイセクシャルはデートの回数が2倍になるわけじゃなく、フラれる回数が2倍になるだけ」というよく口にされるジョークがあります。バイセクシュアルへのこうした偏見や嫌悪は、いまだにストレートの人々にも広まっていて…。ジョークがほどほどに的を射ているだけに笑えない話です。
でも、バイセクシャルへの偏見はくだらないというだけでなく、そもそも何のメリットもないはずです。
ストレートの人々と比べて、一般的にバイセクシャルの人々は性的により複雑な状況について、考えたり話したり、経験を積んできたりしたはずです。つまりその過程で、ベッドにおいてもデートでの細やかさにおいても、ある種のスキルを確実に身に付けてきたとも言えます。
残念ながら私たちは、LGBTQコミュニティの中でも差別や誤解に晒されてきました。けれど、そうした経験があるからこそ分かることもある、そう私は思っています。
男性とセックスをして認識した「悪癖」
バイセクシャル男性であることの強みのひとつが、一部の男性がやりがちな悪癖を学べるというものです。そうして学んだ教訓を、私はひとつひとつ記憶に留めています。
中でも大きい学びだったのは、「相手が誰であってもけっして苦痛を与えてはいけない」ということ。私がベッドを共にした男性の中には、ポルノの真似事をする人もいましたし、こちらの同意なしに頭を押さえてフェラチオを強要する人もいました。こういった粗悪な振る舞いを、身をもって知ることができたのは大きな財産です。
バイセクシャル男性であることで異性からの視点を理解し、尊重しやすくなるというのが私の自論です。